アドラー心理学の『全体論』
今日はアドラー心理学の「全体論」と呼ばれる考え方について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。前回のブログではフロイトの「要素還元論」と比較しながら説明しているのでこちらも参考にしてみてください。 さて、アドラー心理学の「全体論」ですが(まず最初に断っておきたいのは)ア...
今日はアドラー心理学の「全体論」と呼ばれる考え方について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。前回のブログではフロイトの「要素還元論」と比較しながら説明しているのでこちらも参考にしてみてください。 さて、アドラー心理学の「全体論」ですが(まず最初に断っておきたいのは)ア...
今日はアドラー心理学の「全体論」という考え方についてお話ししたいと思います。アドラーがこの考え方を採用した背景としては、医者としての研修を積んでいた頃の影響が大きいのではないかと私は考えています。昨日のブログ『アドラーという一人の医者』も一緒にご参照ください。...
アドラーはウィーン大学医学部では専門的な精神医学の訓練を受けていないと過去のブログで書きましたが(アドラーの『目的論』が生まれた背景)、それはもともとアドラーが「よい医者」になることを目指していたからでした。 アドラーは4歳の頃に、同じ部屋で寝ていた弟(ルドルフ)が、朝起き...
以前のブログで、アドラーは「虚構」という概念を心理学的に(特に目的論における「最終目標)という概念と結びつけて)考えていたのだということを書きましたが、いわゆる「虚構の有用性」を説いたという意味では、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』もアドラー心理学に通じるものがあ...
英語では「性格」や「人格」という言葉にcharacterとかpersonalityという単語を当てることが多いですが、これらの単語にはどうやら語源があるようです。 characterはその語源がギリシャ語の「刻み付ける」、本来変わらないものという意味があるそうで、つまり『遺...
アドラー心理学では目的論を採用しており、そこで扱われる目標とは想像力によって作り出された「虚構の目標」なのだということは、前回のブログでお話しした通りです。アドラー心理学で扱う目標とは 今日はアドラー心理学における「虚構性」について書いてみたいと思います。アドラーは1911...
アドラー心理学の「劣等感」や「目的論」についてブログを書いてきましたが、今日はアドラー心理学で扱う「目標」という概念について少し書いてみたいと思います。 「目標」とは、「標」の字に込められた「しるし」という意味の通り、『ある方向に向かうための「めじるし」』と考えることができ...
今日はアドラーの目的論が生まれた背景についてお話ししたいと思います。前回のブログアドラー心理学の『目的論』を一緒に読んでもらうことで理解が深まると思います。 個人心理学(アドラー心理学)の創設者でもあるアルフレッド・アドラーは、オーストリアのウィーン大学医学部を卒業して医師...
今日はアドラー心理学の「目的論」についてお話ししてみたいと思います。世の中の多くのことが「原因論」で説明されることが多い中で、アドラー心理学は「目的論」を採用しているがゆえに「斬新だ」「劇薬だ」などと言われたりします。 今日本では「アドラー」と名の付く本が800点以上出てい...
前回までのブログでは、ひたすら劣等感について見てきました。アドラー心理学は劣等感に始まり劣等感に終わると言われくらい、劣等感はアドラー心理学の重要なキーワードなのです。 ちなみに、「人は劣等感には耐えることができない」というのが、アドラー心理学の前提になる考え方です。全ての...
劣等感(自分が劣っているという感情)は、健康で正常な努力と成長につながる「適度な劣等感」と、目の前の課題から逃げたり避けたりする「劣等コンプレックス」の2つに分かれるとアドラー心理学では考えます。さらに、「劣等コンプレックス」が常習化したものを「神経症」と呼ぶのでした。...
前回は『劣等感は二種類あるよ』というお話しをしましたが、今日はそのやっかいなほう「劣等コンプレックス」についてもう少し詳しく書きたいと思います。(何だがこのブログも連載みたいになってきました。あと50回も書いたら私の1回分の講座くらいにはなってしまうかもしれませんね)...
劣等感についての話がつづいておりますが(「劣等感について」「続・劣等感について」)今日は「劣等感には2種類ある」というお話をしたいと思います。 アドラーは劣等感についてその著書『個人心理学講義』(アルテ)の中で次のように言っています。...
前回のブログで、劣等感はあくまでも主観的な感覚なのだということをお話ししましたが、今日はその続きです。劣等感は「自分が人よりも劣っている」という感覚のことですが、この感覚はいったいどこから来ているのでしょうか。 みなさんが劣等感を感じる時ってどんな時でしょうか?私の話をしま...
アドラー心理学は「劣等感に始まり劣等感に終わる」と言われるくらい、「劣等感」がキーワードとして扱われています。今日はこの劣等感について少しお話ししたいと思います。 劣等感を理解するにはまず、「劣等性」との違いを理解する必要があります。「劣等感」と「劣等生」、この2つは明確に...
今日は前回に引き続き、アドラー心理学で考える「性格」=「ライフスタイル」についてさらに別の考察をしてみたいと思います。前回のブログはこちらをご覧ください。 ライフスタイルは、まだ幼くて弱い子どもが、大人だらけの社会で生き抜くための(こうすればうまくいく)という戦略でした。こ...
前回のブログでアドラー心理学による感情の扱い方について書きましたが、今日はその中で出てきたライフスタイルについてもう少し詳しくお話ししたいと思います。 アドラー心理学では一般的に「性格(character)」や「人格(personality)」と言われるものを、「ライフスタ...
先日、アドラー派の心理カウンセラーを目指している方から「感情の扱い方が分からない」とのご質問を受けたので、今日はアドラー心理学による「感情」の扱い方についてお話ししたいと思います。 「感情そのものを扱う」心理学って意外に多いのでしょうか?そのあたりのことは私も詳しくはないの...
今日は心理関連の職業を目指している方や、また心理全般の仕事に興味を持たれている方におすすめの本『居るのはつらいよ』(医学書院)をきちんと紹介したいと思います。アドラーとは直接関係ありませんが、「心理職」という広いフィールドを理解する上では大変参考になる本です。...
東畑開人氏の『居るのはつらいよ』(医学書院)は大変面白い本で、このブログでもちょいちょい取り上げていきたいと思っているのですが、その中で中井久夫という精神科医の言葉を引用しているのが印象的でした。 『心と体を分けておくのは、それが便利だからという理由に過ぎない』...