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ライフスタイルの「原型」について

 アドラー心理学では一般的には「性格」や「人格」と言われるものをライフスタイルと呼びますが、そのライフタイルには「原型」があるとアドラーは言っています。「性格には原型がある」と言われたら、ちょっと知りたいなと思いますよね。


 アドラーの原著を読んでいると、「原型」と「ライフスタイル」を(明らかに分けて)説明しているような箇所があり、これはあくまでも私の個人的見解の域を出ないのですが、おそらくライフスタイルというのは二重構造になっているのではないか?と推測しています。アドラーはその著書『個人心理学講義』(アルテ)の中で以下のように述べています。


「ライフスタイルは、幼い頃の困難と目標への追求から発達したものなので、それは一つの統合体である。・・・早期回想(最初の心象)は、我々が原型と呼んだ初期のライフスタイルを形成するものである。・・・子ども時代の記憶を振り返ることで、原型を明らかにすることができる。原型、それはライフスタイルの核である。」


 上のアドラーの言葉をまとめると、ライフスタイルはprototypeと呼ばれる「原型」と、その原型から発達する目標の追求部分「外殻」の二重構造になっているのではないか?というのが私の仮説です。


 そして、このライフスタイルの核でもある原型はかなり幼い頃に作られたもので、早期回想によってあぶり出すことができ(☞自分の目標を知る『早期回想分析』)未熟で変わりづらいというのが私の考えです。


 しかし我々は「原型の誤り」を知ることで、そこから発達する目標の追求部分、つまり「外殻」を変えていくことはできる。「性格を変える」というのはそういうことなのではないかと思ってます。


 「人は追い詰められた時にその人の本性が出る」とよく言いますが、それはライフスタイルの「原型」が顔をのぞかせるということなのかもしれません。


鈴木昇平(アドラー・カウンセラー)





 
 
 

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