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クライエントとカウンセラーの関係性

更新日:2020年6月14日

 『Understanding Human Nature (邦訳は「人間知の心理学」)』を仲間と読んでます。


 

 先日読んだ章のキーワードはempathy (他者への感情移入)に始まり、influence(他者への影響)まで。


 

 感情移入の根幹にあるものは、『生得的な共同体感覚である』とアドラーは言います。

「自分がまるで他者であるかのように感じる」のは、我々が本来もっている共同体感覚によるものであり、それは言い換えるならば我々のうちにある全宇宙と結びついていることの反映であると。(アドラー先生は実にナチュラルに宇宙をぶち込んできます)


 

 さらに、他者への影響の章では「催眠」と「暗示」についてもかなり触れてくれてます。

曰く『催眠は、催眠をかける人の意思に依存するのではなく、被催眠者の心の態度に依存しているのである』と。


 

 つまり催眠という行為は、催眠にかかる人のreadiness(準備)ができていなければ、成立しないとアドラーは言うのです。影響を与える人(催眠術士)が影響を受ける人(被催眠者)の権利をどこまで保証しているのか?というお互いの関係性。この関係性の中で行われる協働作業が催眠であるというのです。

 

 

 言われてみれば当たり前ですが、これがアドラー心理学なんですね。そしてこの法則はencouragement (勇気づけ)や、カウンセリング全般に当てはまることだと私は思うのです。


 


 アドラーは別の本で次のように言ってます。

 カウンセリングにはルールが2つある。 一つは「クライエントの信頼を得ること」 もう一つは「カウンセラーが自分自身の成功にとらわれ過ぎないこと」であると。

 

 

 あまり知られていないようですが、あのカール・ロジャーズも、アドラーの教えを受けています。「アドラーの子どもと直に関わる、だまされたと思うほどシンプルなやり方にショックを受けた」という感想を残しており、そして「私がアドラー博士からどれほど多くのことを学んだかを認識するまでにはしばらく時間がかかった」と言っているのです。



 アドラーの徹底したクライエント目線が、ひょっとしたらロジャーズの来談者中心療法にも影響を与えていたのかもしれない。そんな妄想をすると、なんだかマスクの下の口がニヤけてくるのです(笑)

 
 
 

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©  Shohei Suzuki

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