アドラー心理学におけるライフスタイル(性格)
- 鈴木昇平

- 2020年3月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年6月11日
『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著「ダイヤモンド社」)の発刊以来、日本でも大きな注目を浴びるようになったアドラー心理学。アドラーの教えは自己啓発の源流とも呼ばれ、すでにビジネスや教育などの様々な分野で幅広く活用されています。
アドラー心理学は主に『思想・理論・技法』の3つから構成されていますが、これらはお互い有機的に結び付いたものなので、統合して考えていく必要があります。
アドラー心理学を統合して考えていく際に、大きなヒントになるのが『ライフスタイル』という概念です。
ライフスタイルとは、一般的には性格やパーソナリティ(人格)と呼ばれるものですが、アドラーは性格やパーソナリティという言葉よりもむしろ、ライフスタイルという言葉を好んで使いました。
もちろんこれには意味があるわけで、『個人』をこれ以上分割することのできない統一体であると定義したアドラーが、様々な困難や課題がふりかかる『社会』とどう折り合いをつけていくのか?を考えた時に、人(個人)はそれぞれ、繰り返し活用している人生のパターンがあるというものです。
それはいうなれば社会で生き延びるための人生の戦略であり、また具体的な戦術でもあり、そして社会的文脈の中で「それを選択し、行動する」までの全てをひっくるめて、ライフスタイルと呼ぶのだと私は解釈しています。
ライフスタイルは幼い頃(4・5歳から遅くとも10歳くらいまでには)作られるとアドラー心理学では考えます。
「変わりたいのに変われない」「一歩踏み出したいのに踏み出せない」という人がよくいますが、それはこのライフスタイルが「拘束服」のようにその人を縛るからなのです。
しかし幼い頃にうまくいっていた人生のパターンが、大人になっても成功するとは限りません。そういう意味では、「今の人生に違和感を感じている」という人は、自分のライフスタイルに変化を加える必要があるのかもしれませんね。
鈴木昇平(アドラー・カウンセラー)



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