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「アドラー心理学」的な生き方とは

更新日:2023年5月10日

 アドラーの高弟の一人に、アドラーから「マイサン(息子よ)」と呼ばれていたウォルター・べラン・ウルフという精神科医がいました。ウルフは35歳の若さで交通事故で亡くなっているのですが、彼が残した著書である『どうすれば幸福になれるか 上・下巻』(一光社)は名作中の名作であり、アドラー心理学を深く学びたいという方にはうってつけの本であると言えます。

 今日はこの『どうすれば幸福になれるか』の中から文章を引用し、「アドラー心理学」的な生き方を紹介します。

「人は人生に対する基本的態度として三つの選択肢をもっている」とウルフは言います。

一つは植物のカブの哲学で生きる方法。この場合の人生の中身は、生まれる、飲み食う、眠る、成熟する、友達になる、年を重ねる、死ぬといった単純なことだけであるとウルフは言います。ずいぶん辛辣な言い方ですが、確かにこういう人はいますよね。意外に多いのかもしれません。

 二つ目は、「人生を一つのビジネスと考えて生きる方法である」とウルフは言います。「多くのいわゆる成功した人たちは、人生はビジネスと割り切って考え、それに基づいて行動や態度を決めていく。このタイプの人がいつも最初にする質問は、当然のことだが、「どんな利益が得られるか?」である。新しい経験に対しては何よりもまず、「これは自分にとってどれだけ価値があるか?」と考える。この生き方に基づく社会では、幸福は競争に勝てるかどうかで決まる。まさにこれは動物界の選択肢と同じ、弱肉強食の世界だ」意識高い系のワークホリック気味の人はこのタイプに入るのでしょうか?こういう人も最近では少なくないと思います。

 以上のような「カブ」タイプと「ビジネス」タイプがおそらく大半を占める現代において、ウルフが推奨するのは次の三つ目のタイプの生き方です。

「三つ目の態度は芸術家のアプローチ方法である。この生き方の基本となる哲学は「そこに何を表現できるか?」であり、協調性と良識(コモンセンス)をもった個人の、その仲間に対する基本的関係を大切にする。この生き方の正当性を証明するために歴史上に実例を探してみると、同胞の幸福な生活のために多大な貢献をしたすばらしい人々を発見できる。この見方の正しさを確信してよいだろう。こうした偉大な貢献した人物の人生をたどってみると、アグレッシブで利己的な生き方ではなく、同胞の福利のためにその非凡な才能を発揮し、社会に貢献してきたことがわかる。」

 この三つ目のタイプを、ウルフは「造形芸術のような生き方」と言っています。このタイプのポイントは、協調性と良識(コモンセンス)をもって、仲間や社会に貢献する生き方であり、このタイプこそが、まさに「アドラー心理学的な生き方」と言えるかもしれません。

次回のブログでは、この「造形芸術のような生き方」についてもう少し深掘りしてみたいと

思います。


鈴木昇平(アドラー・カウンセラー)

 
 
 

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